最後の秘境!?黒部峡谷(水平歩道・日電歩道)から秋の立山

日本アルプス

難易度★★★★☆
体力度★★★★★
㊟道幅が非常に狭く転落死多発ルートのため上級者のみ通行可
※今回の行程およびルートでのレベルを独自基準で表現しています。

日にち:2019年10月14日(日)~18日(金)

場所:黒部渓谷(水平歩道・日電歩道・下ノ廊下)~黒部ダム~浄土山~室堂

概要

10月14日(日)

夜行バスで黒部ICへ移動 ¥7,600(西武バス)

池袋駅東口23:20発 ⇒ 黒部IC 4:59着

10月15日(月)

黒部IC―新黒部―欅平―黒部峡谷(水平歩道)-阿曽原温泉(幕営) 

行程時間:5時間55分 小雨―曇りー欅平以降、時々晴れ

10月16日(火)

阿曽原温泉―下ノ廊下―黒部ダムーロッジくろよん(幕営)

行程時間:12時間15分 快晴

10月17日(水)

ロッジくろよんー黒部平―東一ノ越―一の越山荘―浄土山―室堂―立山駅―富山駅

行程時間:8時間15分 快晴後曇り

大正時代の1920年東洋アルミナム(当時)が自前で水力発電所を建設する為、欅平から仙人谷まで約13kmを開通させた、その後1922年に日本電力(当時)に吸収されたがここがさらに仙人ダムから黒部ダムまで掘削を行い1929年に概ね開通させた。前者を水平歩道(約13km)、後者を(旧)日電歩道(約16.6km)という総延長30km程の道だ。1951年関西電力(関電)がここを受け継いだことにより現在では関電の管轄下である。黒部ダム建設時にも活躍したこのルートは、狭いところで60cm前後しか幅がなく、一帯は絶壁である。また冬は厳しく雪が遅くまで残ることから開通されるのは9月中旬から11月上旬位で年にもよるが開通されるのは僅か約1-2か月程度である。一方毎年のように雪崩でルートが破壊されるため、修復したり残雪の状況により開通されない年もある。そんなことから私は国内で最も立ち入りしにくいルートであると考えており、最後の秘境というにふさわしい場所である。なお、黒部ダムより下流を下ノ廊下、上流を上ノ廊下とも呼ばれ、登山者の憧れの場所となっている。

1日目 黒部IC―新黒部―欅平―黒部峡谷(水平歩道・下ノ廊下)-阿曽原温泉(幕営) 

行程時間:5時間55分 小雨―曇りー欅平以降、時々晴れ

9:45 欅平駅出発 この頃より晴れ間見られる

10:25 欅平(パノラマ展望台) ここまで急登 体が慣れてなくきつい。

10:50-10:55 休み 途中水平歩道始点標識あり。道狭くなる。曇り

12:05-12:20 150mトンネル手前 昼飯

13:00 大太鼓 この日核心部 絶壁となる。ここを過ぎると道が広くなり歩きやすい。

進行方向である阿曽原温泉側は(左手)は切れ落ちているが木があるので怖くはない。

13:05-13:25 休み 折尾谷大滝 手前沢は砂防ダムの中に入って通過する。

14:25-14:35 進行方向変わる尾根が突き出ている付近で休み

15:35 テン場到着

<補足>

・テント¥800 温泉¥700 ビール¥600(350ml)500mlは¥800

・トイレ、水場はテン場にある

・テン場は小屋の一段下の平たん部にある。本日は8張り。混雑時は、黒部ダムからくる人が

多く、時間も早いため、欅平方面者より先に到着する関係でテン場がなくなる可能性がある。

・温泉は男女時間で分けている。男16-17時で利用。5分少々下るので若干だるい

・更衣室はない。関電電車トンネルを掘っているときに出てきたらしい。

・30張(一人800円) テント場利用者の入浴料(700円)

・本日の行程は、所々絶壁を行く。しかし、木があるので恐怖心はなかった。

 壁沿いにワイヤーがあるので安心感がある。ただし、反対は切れ落ちているので、落ちると致命的。

・150mトンネルは坑道のようだ。真っ暗の為ヘッドランプ必要。また後半は水が溜まる中を歩く。

 前半は木で水の流れと分けられているので問題ない。

宇奈月温泉からトロッコ列車に乗る
小さいけど力強い車両だ
トロッコ列車の旅が始まった
台風通過後の為濁っている
霧がかかる山
欅平駅に到着
欅平駅前より
展望台 ここまでは観光客も多い
いよいよ水平歩道へ 一気に高度を稼ぐ
858m展望台との分岐(尾根に出る)
ここから黒部ダムまで長い道が続く
阿曽原温泉まで10.3kmの道のり
所々木道で道が作られている
関電関係者が点検を行っている
人口掘りのトンネル まだ歩きやすい
左は切れ落ちている
絶壁に縫うように道が切られている
永遠と続くような道のりだ
昔の人は人力でよく道を開通させてものだ
晴れ間が出てきた
斜面が崩壊しているため通過は手掘りトンネルだ
V字渓谷の中にいる
この斜面の通過は150mのトンネルを通過する
いよいよトンネルへ
手掘りの跡が生々しい。中は真っ暗だ。
トンネルを出て再びペースを上げる
有名な大太鼓へ
左は数百メートルの絶壁だ
落ちたら終わりだ
幅は70cm程。思ったより恐怖心はなかった
欅平方面を振り返る
大太鼓方面を見る
折尾谷の滝遠望
何度谷を通過したかわからない・・・
折尾谷にある滝すぐ下を通過する
絶壁の為いたる所から水が流れ落ちる
ようやく本日の目的地、阿曽原温泉が見えた

阿曽原温泉の建屋。冬は解体される
小屋前から幕営地 この右下5分下ったところに温泉がある

2日目 阿曽原温泉―下ノ廊下―黒部ダムーロッジくろよん(幕営)

行程時間:12時間15分 快晴

3:40 起床

5:00 阿曽原温泉

06:00 人見平 関電宿舎 こんな山奥にこのような建物があり驚く。風呂やコックもいた。

    サルの群れ見る。

6:20-6:30 仙人谷ダム越えたところで休憩。ここまで関電設備内通る。
      ダムの上を渡って対岸に出る。途中標識がないのでわかりにくい。

     東谷吊橋 送電線 第4?発電所関連(2個)あり 吊り橋から急登となる。

     100-150m程度登る。

7:30-7:40 絶壁の道となる。途中岩から流れ落ちるところを通過。結構濡れた。

     半月峡の標識あり

8:35-8:40 休み

9:00 十字峡 吊橋あり。橋の先に広場ありテント二人用2張り可能。十字峡が見られる

   足跡があったが今回行かなかった。すぐ近くと思われる。

9:30-9:40 休み 9:20からようやくこの日陽が当たる。沢の少し上にルートがある。

   丸太橋、梯子あり。

10:20-10:30 白竜峡 岩場始まる。狭いV字峡にルートが掘られている。

   雨天時はスリップに十分注意。

11:20-11:40 黒部別山沢出合 この前後絶壁を行く。雨の時は注意。

12:40-12:50 休み 川のすぐ脇を行く。ここまで絶壁の中に梯子あり。途中雪崩の雪が残る。

13:45-13:55 内蔵助手前カーブ? 休み 疲れが出て長く感じる

14:20 内蔵助谷出合 水量豊富

15:15-15:30 ダム直下の橋 周りは樹林帯

16:10 黒部ダム施設 河原から登りきると林道に出る。ここからどちらの方法か

    悩むが登り方向に進む。とダム施設内に至り、観光標識の通りに進むと黒部ダムに出た。

    バス終電時間。

16:20-16:30? 土産屋でジュース購入。店じまい時間

16:35 誰もいないダム上 再び施設内に入り、矢印にしがってロッジへ。遊覧船乗り場方面

17:15? ロッジくろよん(幕営)。ロッジの手前にテン場あり。10張り前後?ここにトイレと

     水場あり。

<補足>

・S字峡、十字峡などの標識あり。この日は川に近づくため高度差は数十メートル。

  ただし露岩となりスリップには注意。丸太の橋や梯子で所々道が作られている。

・白竜峡からは露岩の上を行くことが多くなる。その為スリップには注意したい。

・黒部別山谷から先は大規な高巻きが丸太の梯子や橋でルートが作られている。

 これが破壊されるとルートが通行できない。

・棒の木平前後は河原の脇の広いルートとなる。数か所このようなところがある。

 内蔵助谷までは樹林帯に入ったりして、疲れも出て長く感じた。

・ダム直下で橋を渡る為、増水時は注意が必要。

・橋からの登りはゆっくりいければそれほどではなかった。登りきると林道に出る。

 ここに標識がなく進路に迷うが、左側(登り方向)に進むと関電施設に入る。

突然現れる関電人見平宿舎
こんな山奥にこんな人工物がありびっくり
猿の群れがくつろいでいた
この辺りは人工物が多い
内部は温泉の影響か蒸し暑かった
仙人谷ダム到着
こんな場所にダムを造るのもすごいと思う
水が奇麗だった
右岸に渡りしばらく進む
黒四地下発電所遠望
東谷吊り橋で黒部川を再び渡る
吊り橋より黒部川
吊り橋から先は再び高度感あるルートが続く
時々道が脆いところがある
川側は切れ落ちている
この辺りも転落死亡事故が多い
滝の洗礼を受ける
谷が狭くなってきた
黒部ダムまで14.3km。出発地の欅平からはは30km。
S字峡を望む
岩には簡易的な針金がはられている
黒部川の流れを俯瞰する
黒部別山2353m辺りと思われる
気が抜けない箇所が連続する
いよいよ十字峡だ
十字峡付近の吊り橋
轟音をたてていた
ダムに近づくにつれ高度が下がってくる
岩場で水がつくとやっかいだ
まだまだ先は長い
修復の跡が新しい
毎年道が修復されるので我々は利用できる
視界が広がる場所も増えてきた
いよいよ白竜峡に入る
自然の造形美は素晴らしい
岩場の通過となる
登山者とすれ違うことが多くなる
白竜峡も転落死亡事故が多い場所の一つだ
岩が濡れているときは十分注意したい
増水時は怖くて通れないだろう
慎重に通過する登山者
雨の日は利用したくないルートだ
狭いルートでのすれ違いは注意したい
雪崩が多く梯子などが破壊され河原に散乱している
梯子がないととても通過できない場所だ
だいぶ高度が下がっている
岩場の通過が続くので気を抜けない
所々滝が流れ落ちる
10月でもある残雪。このまま冬を迎えるだろう
滝は遠くから眺めるのも良い
新越沢合流点。黒部ダム駅まで6.8kmだ。
荒々しい峡谷が続く
黒部川と同じ目線でルートが続く
黒部ダムが待ち遠しい
鳴沢岳付近の稜線と思われる
ようやく黒部ダムが眼前に!
黒部川最後の横断
ダムの上から多くの人がこちらを見ているだろう
ダムまで200m程登るので気合を入れる
いよいよ黒部川ともお別れだ・・・2日間歩いた道を振り返る
ダム手前より立山を見上げる
対に到着した黒部ダム!!
行程中快晴だった。ダム到着を待ってくれていたかのようにガスが出てきた。
2日間歩いて到着したダムは考え深いものがあった
ダムから先ほど歩いてきた道や渡った橋を見る
こんな場所に巨大建造物を作り凄いと思う
満々と水をたたえたダム湖
ダム上流側から黒部ダムを見る

3日目 ロッジくろよんー黒部平―東一ノ越―一の越山荘―浄土山―室堂―立山駅―富山駅

行程時間:8時間15分

4:20 起床 

5:55 テン場出発

6:00 ロッジくろよん ベンチあり。登りルートはロッジ入り口の向かって右側にある。

6:35-6:45 休み 中間位 

7:10 黒部平 駅まで0.2km標識あり

7:30-7:40 ロープウェイワイヤー下 休み 晴れ 周辺紅葉 無風

8:30-8:40 2050m付近 笹の間を行く 時々荷物が引っ掛かり歩きにくい

9:45-9:55 東一の越 下 休み 途中涸沢2,3か所渡る 石の上を歩くため足場注意

10:30-10:35 東一ノ越 曇りとなるが視界良好。北ア見られる 風強い。

       ここまで登り大変。疲れあり

10:50-11:05 休み

11:50-12:05 一の越山荘 曇り 室堂見られる

12:40 分岐

12:50 浄土山?2831m 標識がない 一体なだらかな山容だがケルンがあるところだと思われる。

13:20-1335 ここまでゴロー帯の急登。転倒注意

14:10 室堂 荷物整理

15:00 バス出発

<補足>

・立山駅周辺の立山館は現在入浴やっていない。ウィング・・・?は入浴可能だが15:30まで

・富山駅ロッカーに荷物を預け(¥600)。トヤマルシェ横の通路内に2ヵ所。別1ヵ所。

 駅構内は20:30で閉める模様。新しいロッカーはSuica利用可能。

・剣の湯へ¥900内湯、サウナあり設備面は良い。路面電車富山駅から¥210。

 帰り富山駅までバス\210

・トヤマルシェは20:30(土産)まで。すし玉(回転ずし)は20:30入店まで、

 21時ラストオーダ、21:30閉店

・プロントは23時閉店。

23:25 富山駅出発バスで東京駅へ6:30着

行きバス¥7600 帰りバス¥6330?

室堂⇒美女平時刻表(所要50分 23km 室堂⇒立山駅 ¥2,470)

ロッジくろよん 貴重なテントサイトがある
今度は山を登り返す
針ノ木岳(2821m)とスバリ岳(2752m左)
紅葉の中を進む
木々が美しい
今朝は霜が降りていた
黒部平への分岐
最終日も天気に恵まれた
紅葉真っ盛りの中へ突入する
紅葉の絨毯
紅葉が見事だった
鮮やかに木々が染まる
立山の中腹は紅葉中
苦労して得られる喜びだ
いつまで見ても飽きない
木もそれぞれの顔がある
針ノ木岳から赤沢岳などの稜線
森林帯を抜けて森林限界となる
ロープウェイ駅の大韓峰
黒部平方面を振り返る
斜度はないが疲れの為ピッチが上がらない
東一ノ越直下よりルートを振り返る
大観峰からのトラバース道は現在通行止めとなっている
雄山と続く尾根
ようやく東一ノ越到着。龍王岳方面
ルートを俯瞰する。北部北アルプスの山並み
獅子岳2714mと思われる
左は烏帽子岳、野口五郎岳、右奥に水晶岳と赤牛岳と思われる。
目指す一ノ越方面と龍王岳2872mm
カール地形がはっきりわかる。太古氷河があったのだろう
東一ノ越へ向かう登山者
ついに一ノ越。室堂方面を見る
室堂と奥右手から奥大日岳と大日岳
雄山2992mへの登り
登ってきた東一ノ越への道
雄山の建屋が見られる
最終目的地の浄土山2831m付近より別山と剱岳
天狗平西側エリア(弥陀ヶ原方面)遠望
浄土山を後にする
常願寺川方面
室堂平と大日岳が美しい
室堂とみくりが池。ここまでくればあと一息。本山行も終了である。
立山室堂山荘と真砂岳一帯。剱岳登山はこの山を越える必要がある。

コメント

  1. タナベ より:

    吉村昭さんの本を読み、黒部峡谷に興味を持ちました。
    このような難関ルートはなかなか詳しい本もサイトもないので、こちらで実際の写真や様子が見れて大変興味深いです。写真をもっと大きなサイズで見たいです!でも素晴らしいブログをありがとうございました。

    • わたりどり わたりどり より:

      タナベ様
      コメントありがとうございました。
      返信が遅くなり申し訳ありません。
      確かにこのルートはあまり資料がなく情報法収集がしにくいですよね。
      そのため写真はたくさん掲載したつもりですが、ご連絡の通りサイズが小さくすみません。
      画質を落とさないと容量がかなり大きくなってしまいますのでご了承ください。
      入渓される際は是非お気をつけください。

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