明治時代から愛された徳本峠から大滝山、蝶ヶ岳を目指す

日本アルプス

日にち:2021年7月23日(金)~25日(日)

形態:2泊3日テント泊

参加者:2名

概要:上高地ー明神ー徳本峠ー大滝槍見台ー大滝山ー蝶ヶ岳ー徳沢ー上高地

7月22日(木)新宿⇒夜行バスで上高地へ移動 

行き:さわやか信州号 1号車 新宿 22:25発 ⇒5:20着

帰り:さわやか信州号 1号車 上高地16:10発 ⇒20:57着

7月23日(金)上高地―明神池―徳本峠

天気:快晴、15時から2h雷雨(設営後) 行程時間:6時間

5:20 上高地 バスターミナル サービスエリア、他で休憩と時間調整

   快晴 到着客で混雑 無風 水場(飲料可)、靴洗い場あり トレイ¥100

~6:05 準備 河童橋まで300m 5分

6:10~6:20 河童橋 穂高連峰、梓川奇麗 混雑なし

7:10~7:20 休憩 梓川右岸ルート 林道合流 明神まで1.1km 上高地まで2.5km地点

7:55~8:35 穂高神社奥宮 朝食 池は¥500かかる 前に東屋、椅子あり。

      嘉門次小屋はすぐ隣

9:35~9:50 休憩 ここまで沢を右に見てなだらかな樹林帯を進む

10:35 ~ 10:45 休憩 登りが急になる H1800m下あたり

12:05 徳本峠 テント¥2000/人 売店は現在やっていない トレイ¥100(小・大*2) 水\200/L

15:00 ~ 17:00 雨の為テント内で晩酌、夕食など

17:00頃 上空晴れ間 穂高視界利く 

《ルート解説》

バスターミナルには飲料水が補給できるのでありがたい。トイレはチップ制(\100)。登山靴洗い場もあるので、帰り利用するのも良い。河童橋までは約300m、5分弱で到着。日中は混雑するが、さすがにこの時間人はまばらだ。透き通るような梓川の清流とどっしりと佇む穂高連峰が迎えてくれた。

登山の拠点となるバスターミナル
穂高連峰が迎えてくれた
焼岳も美しい
河童橋から穂高連峰
梓川沿いに森林浴を楽しむ
穂高神社奥宮付近より徳本峠

明神までは右岸ルートと左岸ルートがあるが、前者の方が15分程時間を要する。行きは時間がある為、右岸ルートをとった。心地よい針葉樹の散策ルートが歩きやすく、途中湿原も通過する。久しぶりの高原の森林浴は体に心地よい。所々小川が流れ、魚がいないか探しているうちに関係者用林道が左手に並行し、合流地点(標識がある)まで行けば明神も近い。梓川ほとりに出ると、穂高連峰奥宮、嘉門次小屋分岐がある。せっかくなので奥宮まで足を延ばした。池のエリアに入るには¥500かかる。以前入っているので今回は前にある東屋で朝飯をとらせていただいた。ここにもトイレがある。

再び分岐に戻り、すぐ先にある橋を渡り左岸に行くと明神館がある。上高地や横尾方面からの登山者が利用する為休憩する人が多い。こちらにもトイレがある。徳本峠入り口である白沢分岐はここから3分程進んだ徳沢側にある。標識があるので見落とすことは無い。

明神館
いよいよ徳本峠ルートへ入る
最初は白沢沿いに進む

徳本峠へのルートはかなりマイナーであり、利用する人は極端に少ない。大半が徳沢、横尾方面に行き穂高を楽しむ人が多い。実際すれ違ったのは峠近くで3組ほどだ。地形図で見てわかるように最初は白沢沿いに進み道も広く、平坦な歩きやすい道が続く。今までと違い、人が少ないので自分たちのペースで気楽に進むことが出来る。入り口は白沢となっているが、黒沢と合流している。ルートは途中から黒沢となる。この頃から道が狭くなるが、斜度はまだ緩やかだ。気づけば沢の音は消え、右手に見えるそれは涸沢となっている。最初は沢と同じ目線であったのが徐々にその距離を離し、やがて右下に見下ろすようになり、高度が上がってきていることを実感する。中間部を過ぎると左右に草が茂る狭い道となる。

山と高原地図のマップにある水場は今シーズン崩壊があったところで、(現在道は整備され梯子などあり)小さな沢を横切るところだ。見た目だけの判断で正確ではないが、この水を飲むのは少し勇気がいる。上部は土砂があるし、もう少し上流のほうが安心感はある。また峠までは20-30分は歩いた気がするので、水汲みは遠い。記憶だとこの手前にも小さな沢を通過したように思う。この間は一部地盤がゆるく長雨の時は道が崩壊すると思われる。こんな所は新しく道が設けられていた。

所々崩壊箇所がある
霞沢岳分岐・峠までもう少し
徳本峠小屋とテント場

徳本峠までは地図で見ると近くに考えられるが、歩いてみると意外と長い印象を受けた。小屋手前200mの所に分岐があり、右手に行くと霞沢岳方面に行く。

徳本峠は前に入り口があり、管理人は小屋内部で作業している為、インターフォンで呼び出して受付を済ませる。コロナ過のため売店はやっていない。テント場は小屋正面に4張、右斜め前の1段上がったところに8張程度(1-2人用)のスペースがある。(HPでは10張となっている)水は受付で\200/L、トイレは反対に回って建屋内にある。宿泊者用の流し(1ヵ所)もトイレ階段前にある。

小屋裏にある斜面2216mへ
北側にあるテント場から小屋
北側テント場から穂高連峰

7月24日(土) 徳本峠―大滝山―蝶ヶ岳ヒュッテ

天気:快晴のち曇り 夜から雨 行程時間:約10時間

3:00 起床

5:05 徳本峠出発 樹林帯を行く。小さなアップダウンあり。笹多く雨後のため靴が濡れた。

    無風

6:00~6:10 休憩 明神見晴手前2200m付近 快晴 無風 

6:35~6:40 明神見晴 標識の文字が半分切れているためガスの時は見落とし注意。

       明神岳が正面

7:00~7:10 休憩

8:05~8:30 大滝槍見台 樹林帯の中に櫓が立てられている。

       登ると穂高連峰~東鎌尾根~大天井展望

9:25~9:40 休憩 大滝山手前2457m合流手前の巻き道途中 道狭い

12:15~12:45 大滝山(南峰)2615m 昼飯 頂上広いハイマツ帯。

        穂高連峰など360°展望 晴れ 周辺雲量多い

12:50 大滝山荘 この手前池塘あり 現在休業中? 管理人はいた。正面のハイマツの

    奥にテン場

12:55 大滝山 北峰 こちらも展望あり。蝶までの縦走路が見られる。ガス発生

13:55~14:00 休憩 2542m付近 北峰から途中まで森林限界だが、この手前か

        ら樹林帯へ入る

15:00 蝶ヶ岳ヒュッテ(テン場) ガス発生 時より晴れ間 すでにテント場は満杯で

    張スペースなし。来た道(テント場のハイマツ帯を挟んで隣)側に6張前後

     スペースがありこちらに設営 蝶ヶ岳直下。

    蝶ヶ岳ヒュッテはテン場から50m程下ったところ。受付は用紙を記入後。

    ¥2000/人 トイレは受付向かって右側。売店は小屋内にある。

    ビール350ml¥600、バッチ、Tシャツなど。19時頃から雨。夜も断続的に雨で明け方まで。

《ルート解説》

徳本峠からまずは2216mまで緩やかな樹林帯を進む。ピークという感じはなく、以降ずっとなだらかな樹林帯や小さなアップダウンを進む。昨夜の雨もあり笹でパンツや靴が濡れるので対策をしたほうが良い。笹も大滝山まで断続的に続くが、特に朝早い時間帯は被害が大きい。雨後の為、地面も泥濘汚れるのと木の根が多くスリップには注意したい。樹林帯のルートは、現在地の特定が難しいので時間が目安となる。2.5万分の1地形図と高度計を使えば精度よく現在地特定ができるだろう。まずは明神見晴を目指す。ここは目立つ標識はなく、朽ちたそれがその場所に置かれている。「明神見晴」の文字半分が切れている為、それを知らないとわかりにくい。広場などではなくルート上に明神岳方面の視界が開けるところがあり、一見すると景色に見とれ通り越してしまうかもしれない。悪天時も同様である。

中村新道の樹林帯へ
朝のジャンクションピーク
ガスの晴れ間から

歩きはじめのころは針葉樹の樹林帯歩きを楽しんでいたが、本日の行程の大半がそれであり、晴れているのに景色が見られないのは実に残念な思いにかわっていった。次のポイントである大滝槍見台までは1時間半の道のりだ。同じような道をただひたすら進む。

この辺りは笹が多い。朝は濡れる
明神見晴
明神見晴より大天井岳方面
再び樹林帯へ
大滝槍見台より穂高連峰(北穂岳、槍ヶ岳)

前穂高岳
大滝槍見台の櫓
次は大滝山を目指す3時間の樹林歩き

大滝槍見台は樹林帯の中に櫓が建てられ、なだらかな登りの途中に急に現れる。垂直の梯子を上り、櫓からは明神岳―北穂岳―槍ヶ岳の穂高連峰、東鎌尾根、大天井岳や燕岳が見られる絶景ポイントだ。天気に恵まれれば最高の場所だ。どちらから来ても長い樹林帯歩きでとても新鮮に感じる。

リフレッシュしたところで再び長い尾根歩きに入る。次のポイントは大滝山だが時間にして3時間である。焦らず一歩一歩着実に進みたい。下は相変わらず泥濘歩きにくいところがある。この辺りから蝶ヶ岳から来る登山者とすれ違うようになる。と言っても前述のようにこのルートを利用する登山者は限られるので人数で言えばたかが知れている。(記憶だと2組)

中村新道は屋久島を思わせるルートである。人が少なく針葉樹や苔など緑が多いためだ。うっかり道を外れると迷ってしまうかのような錯覚を起こすが、屋久島との違いは道が明瞭であることだ。蝶ヶ岳、常念岳などのように登山者は多くないが、道はしっかりついているので安心だ。確認しながら行けば道に迷うような箇所も途中見受けられなかった。大滝槍見台~大滝山中間点にある2330mピークは踏まず巻き道が取られている。またその先にある大きな2491mも巻き道がとられている。前者は気づかず通過してしまうが、後者は大きなピークであり、右手に頂上部を見て進むこともあり巻き道であることがわかりやすい。この稜線からの合流点が2457m地点である。標識があるわけではないが、この合流点から今まで斜面左手にルートがとられていたのが、右手に入り込み同時に樹林帯を抜け東南方面の視界が一気に開ける。上部を仰げはピークが見られるが南峰はここではない。本ピークはこの少し奥だが、高度の目安にはなる。コルから南峰まではおおよそ200mほどの高度差がある。いずれにしても、右手視界が開けるのと高山植物が多数見られ気分爽快な登山となる。ただし、右側は急な斜面となっており、道も狭いため注意して進みたい。特に下山時は勢い余って転落しないように。斜度が増すので高度を稼げる。上部に行けば手前に巻き道とした2491mピーク、その奥には縦走路が見られ、遥かかなたには霞沢岳も見守ってくれていた。先ほどの偽ピークを越えればもう一登りで南峰に到着する。(実際はピークではないが)ここからは360°の大展望でハイマツ越しに穂高連峰も見られる。徳本峠を出発して約8時間の長い樹林帯歩きもここで終わりと思うと感慨深いものがある。(厳密にいえばこの先も所々樹林帯はある)昼飯後、進行方向に見えている北峰を目指す。途中池塘がありすぐ先には大滝山荘がある。展望は利かない。

このピークの先が大滝山南峰
登ってきた道を見る
南峰ももう近い
南峰より来た道を見る(巻いたピーク)
南峰より穂高連峰
蝶ヶ岳までもう少しだ
大滝山南峰
大滝山荘
大滝山北峰より

北峰も同様に展望が良い比較的平たん部だ。行程中の雷雨が心配だったため、撮影をしてすぐに出発する。最初は森林限界の稜線を下る。途中お花も見られる。2542m辺りは池塘や花があるが木も増えてくるので展望は利かないが、背は高くないし、上空も木がないため開放感はある。最低鞍部一帯は樹林帯で、顕著なコルではないためわかりにくいが、この辺りと思うところから登りとなるので、蝶ヶ岳への登りに入っていることが実感できる。高度差は200m弱だと思われるが、山容が大きくそれなりに時間を要する。途中お花畑などもあるので鑑賞しながら、焦らず着実に進みたい。上部は森林限界であり、三股からの登山道と合流すれば、テント場もあとわずかだ。

北峰から最初は稜線を下る
鍋冠山分岐付近より大滝山
蝶ヶ岳途中のお花畑
テント場は足の踏み場もないくらい

時間が15時と遅かったため、テント場はいっぱいで張るところがなかった。稜線に張っている人も何人かいたがそこも適地がなかったので、来た道に戻った広場に(テント場のハイマツ帯挟んだ隣)設営した。テント場から小屋までは距離では50m程だが、なだらかな下りとなっている。時間があればゆっくり散策したかったが、雷雨を警戒して設営、夕飯準備を優先した。この日は午後行程中の雨を覚悟したが、蓋を開ければそうならず、19時頃から降り出してくれたので、ありがたかった。

7月25日(日) 蝶ヶ岳ヒュッテー徳沢―上高地―新宿

天気 ガス後晴れ 行程時間:6時間20分

3:45 起床 6:00 テン場出発 

6:15 ヒュッテ出発 ガスのため展望利かず。すぐの回復は見込めないため出発

7:10~7:20 長塀山 2565m 上空晴れ出す 途中から樹林帯へ入る。

      徳沢まで4.4km 蝶ヶ岳1.8km

8:20~8:35 休憩

10:15~10:40 徳沢 晴れ 水場無料 100m先トイレあり 売店自販機、軽食あり

10:55 トイレ

11:45~11:55 明神館

12:35 上高地(河童橋) 晴れ 上高地レストハウス?(橋渡ってすぐ。右岸)で

    山賊弁当¥950

13:00~13:30 梓川ほとりで弁当 アルペンホテルは入浴12:30までのため

        上高地温泉ホテルへ。コロナで間引きしており女性は30分待ち。

        ¥800 ザックは入り口の棚へ。貴重品は中にロッカーがある。(無料)

14:00~15:30 入浴 土産見学 河童橋まで20分 

15:50-15:58 店見学 

16:05 バスターミナル 

16:10出発 途中沢渡、新島々寄る。諏訪湖SA(15分),談合坂SA(20分)で休憩。

      談合坂で渋滞の為30分遅れで新宿到着。21:30

・上高地温泉ホテル 外来入浴 ¥800 12:30―15:00 TEL0263-95-2311 

 ランチ営業/午前11:00~午後2:00ごろ カレーなど軽食

・上高地アルペンホテル ¥1,000 入浴時間:受付~11:30まで 昼飯やってない

  TEL 0263-95-2231

・森のリゾート小梨 日曜日のみ12-14:00 ¥600 TEL0263-95-2321

ルート解説

最終日、蝶ヶ岳から穂高連峰を見たかったが、未明まで雨が断続的に降り出発の頃は止んだものの、ガスがかかり展望は見られなかった。回復の時間がかかることが予想されたため、諦めて下山の途に就いた。

最初は森林限界のルートで妖精の池手前まで天気が良ければ展望が聞く。池は左ルートと右ルートがあるが、いずれも合流して道は進行方向先のハイマツ?帯に道がある。ここまで10分程でこの先から樹林帯へ入っていく。

長塀山までは広い尾根上に道が切られており到着のころには完全に樹林帯である。ルート上に突然頂上が現れる。標識があり徳沢まで4.4kmである。展望はない。時々左手には昨日歩いた中村新道、大滝山へ続く長大の尾根を眺められる。長塀尾根先端部からは比較的広く歩きやすいルートであるが、長塀山から半分辺り過ぎたころから小刻みのジグザグ道となり斜度も増す。やはり道が湿っているところは滑りやすく、木の根や露出した土にも注意が必要だ。進路が変わり徳沢方向になると梓川が間隙からみられるが高度差はまだある。足が疲れてくるころではあるが、焦らず着実に高度を落としていきたい。要所要所に標識があるので、励みになるか落胆になるかは別として目安にはなる。高度計も同様だ。徳沢の高度は1562mである。最後の下りは徳沢方向に直進する道が切られている。

徳沢は無料の水場がある。売店、自販機、軽食なども利用できる。100m離れた所にトイレがある。テント場は草があり整地もされているのでとても良い場所だ。目の前には小川が流れ物を冷やす事も可能だ。ここから明神を越え上高地までは梓川沿いに2時間の所にある。

早朝はガスの中の移動となった
長塀山2565m
長塀尾根の下り
何年か前に行った屏風のコル
ようやく徳沢に到着
徳沢キャンプ場 広くて快適な場所
下山前から晴れ出した
河童橋はにぎやかだ
河童橋から穂高連峰 奥穂は雲がかかる

費用

22日

バス¥10,400*2=20,800

23日

テント¥2000*2=4,000 

24日

テント¥2000*2=4,000、バッチ550*2=1100、ビール¥600(350ml)

25日

温泉¥800*2=1,600

バス¥10,400*2=20,800

長野県警察本部山岳安全対策課:026-233-0110
蝶ヶ岳ヒュッテ(大滝山含む):090-1056ー3455
徳本峠小屋:090-2767-2545

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