日時:2006年8月14日(月)~8月17日(木)
場所:北アルプス(大雪渓~白馬三山~唐松岳~八方尾根)
体力:7/10(2泊3日テント泊装備)
技術:8/10(不帰ノ嶮点滑落、天狗の大下り下山スリップ、それ以外は雪渓の落石に注意)
参加者:M、S、N 3名
解説(2021年4月)
白馬岳(2932m)は北アルプス最北部に位置し、日本三大雪渓の一つの白馬大雪渓を有している。東側はバリエーションルートがある荒々しい山容だが、東はなだらかな斜面を持つ対照的な地形が面白い。三国境を北東に行けば小蓮華山(2769m)経由で白馬大池、栂池自然園へ。北西に行けば、雪倉岳(2611m)を経由し三百名山である朝日岳(2418m)方面と続き、栂海新道で日本海、親不知と北アルプス縦断の終着点となる。
西に行けば、清水岳2603m、百貫の大下りを経由し祖母谷温泉経由で黒部峡谷の欅平へ行くこともできる。南下すれば白馬三山を形成する杓子岳(2812m)、鑓ヶ岳(2903m)や天狗の大下りを経由して不帰ノ嶮から唐松岳の縦走路と続く。
鑓ヶ岳から下山すれば中腹の2100mにある鑓温泉に行くことも可能だ。高山にある貴重な温泉で良いが、ここから下山でも4時間程歩かなければならないのが難点だ。なお、積雪期は雪崩のため小屋が分解、閉鎖される。
白馬岳は夏山シーズン中、心地よい雪渓歩きが出来る。日本三大雪渓(白馬大雪渓、剱岳大雪渓、針ノ木大雪渓)の中では規模も大きく、有名なこともあり人が多いが、近年地球温暖化の影響で雪渓が後退している。また落石や崩壊場所も多く注意が必要で以前、通行止めになったのが記憶に新しい。針ノ木雪渓もその影響が顕著で、数年前の行ったときは雪渓があるのはわずかで、その一部も崩壊などの危険から通行止めやごく僅かな部分のみの通行となっている。温暖化の影響は山においてもじわりじわりと影響を受けている。
白馬岳上部は高山植物が豊富で美しいため疲れを癒してくれるだろう。頂上直下には1905年(明治38年)開業の白馬山荘があり日本最大級の山小屋がありその人気ぶりを示している。
以降は2006年の記録
8月15日(火)駐車場――猿倉――大雪渓――頂上宿舎(テント)――白馬岳
快晴時々ガス 行程時間約6時間
4:30 起床
5:50 タクシーにて出発 →タクシー4人で¥700にしてもらい利用。本当はもう少し高い。
6:10~6:25 猿倉 トイレあり 駐車場狭い。8台程度
7:25~7;35 白馬尻小屋
8:30~8:45 大雪渓途中 晴れ 微風
9:25~9:45 葱平
10:40~11:00 休憩 尾根上を登る。落石注意
11:40~11:50 頂上宿舎手前 お花畑にて休憩
12:30 頂上宿舎(M、N) テント設営(小屋裏手)¥500 水場、トイレあり。
テント50張り程度?
小屋には診療所あり。どんぶり、ラーメン等¥900程度。夜は小屋専用になるため
利用不可。ビール¥550、ジュースは自販機。ただしジュースの種類はかなり限定される。
13:00 S到着 カイト(凧)で遊ぶ
14:30 出発 白馬山荘まで20分、ここから頂上まで15分 頂上は快晴。大展望
16:30 テン場 途中 カイトで遊ぶ
17:00~17:30 夕飯準備
18:00 夕飯 18:30 夕日見学
19:00 晩酌
ルート解説
八方尾根スキー場用の駐車場が幾つかあるが、今回は駅前通り真っ直ぐ来て信号機を右に曲がって(角にコンビニ、ガソリンスタンドがある)50m程のところを利用した。タクシーが待機しており、バスを利用するよりこちらの方が便利だ。
猿倉から林道を川沿いに進む。距離が長く感じるが時間通りに行くことができる。大きな砂防ダムを越え、登山道に入ると間もなくに白馬尻に到着する。小屋前にベンチがあり、大雪渓をはじめ小蓮華など展望がある。15分ほど行けば大雪渓末端に出る。
大雪渓入口・雪渓の後退が進む
雪渓歩きは気持ちよい
前半は斜度が緩く、雪渓歩きを楽しめる。僅かに向きが変わるところで斜度が一事増すがここがほぼ半分くらいだろう。正面に葱平が見える。左に手には杓子岳の天狗菱が大きく迫る。
葱平から右手側にルートがあり、落石を注意したい所がある。沢を渡ると尾根歩きとなり、天狗菱が一段と大きく迫る。尾根を越えるといつの間にか広い斜面を歩き、お花畑が広がりその豊富さに驚く。頂上宿舎は正面の大岩壁(離山)の脇にあるが、なかなか時間がかかるので、ゆっくり行きたい。
葱平から2、3箇所水が流れているが、お花畑にある(雪渓の水)所、意外は飲まないほうが良いかもしれない。
大雪渓半分程の所
葱平より雪渓を見下ろす
葱平より雪渓を見下ろす
天狗菱見ると高度が上がっているのを実感する
この辺りは高山植物の宝庫だ
ようやく村営頂上宿舎が見えてきた
頂上宿舎から白馬岳方面
白馬岳より左から杓子岳2812mと鑓ヶ岳2903m
白馬岳より夕日と毛勝三山
8月16日(水) 頂上宿舎――鑓ケ岳――天狗山荘――不帰ノ嶮――唐松岳――頂上山荘
快晴午後ガス 夕方一時晴れ 行程時間約10時間45分
4:00 起床 4:30 飯 5:30テント撤収
5:45 出発
6:50~7:05 杓子岳分岐 頂上行かず
7:50~8:25 鑓ケ岳 大快晴 無風 富士山見える
9:20~9・45 天狗山荘 ベンチあり ビール \500 水:無料(雪田利用)
10:45~10:55 天狗の大下り始まりピーク 下部のコルガス発生
11:45~12:25 鞍部 昼飯
12:50~12:55 不帰Ⅰ峰
13:10~13:25 不帰Ⅱ峰北峰?(Ⅰ峰の次のピーク)直下鞍部 晴れ間あり
14:30~14:45 Ⅱ峰北峰(裏手から回り込みピーク直下?にでる)
15:00 Ⅱ峰南峰 北峰正面にあるピーク
15:55~16:10 唐松岳 ※Ⅲ峰のピークは踏まない?2、3個ピークがあるが全て巻いている。
ガス視界10m
16:20 頂上山荘 テン場小屋の下にある。場所が狭く張る箇所も少ない。水場はテン場一番下
にある。雪田は万年雪だと思われる。
19:00 飯 カイトで遊ぶ
20:00 就寝
ルート解説
テン場から稜線に出てすぐのピークが丸山である。展望は良い。なだらかな稜線だが、杓子岳分岐まで小さなアップダウンがある。分岐から杓子岳へは20分程度だろうが、かなり急だ。先が長いこともあり今回は利用しなかった。朝なら杓子岳の斜面が朝日を遮ってくれるので日焼けした肌を守ってくれて快適だった。
杓子沢のコルに出ると鑓が大きく迫る。少し先に狭い台地があり、まずはここを目指す。急登を進むが、上のピークに出ると鑓ヶ岳までなだらかな登りである。
鑓(右の山)の奥が不帰ノ嶮へと続く
鑓ヶ岳付近より杓子岳と白馬岳2932m
鑓ヶ岳下りより天狗ノ頭方面
雲海
頂上からは大展望だった。南アルプス、八ヶ岳、富士山も見られた。頂上からは大きな斜面をジグザグに進みながら一気に高度を落とす。平坦部に出て正面のピークを越えると後は下るだけ。天狗山荘手前に雪田があった。山荘は小ぢんまりとした小屋で静かだった。天狗池は小屋前の雪田から流れた水がたまった所で、綺麗だ。水も飲み放題。山荘から最初のピークが天狗の頭であるが、実際はキレット手前までダラダラと平坦部を進む。最後のピークで一気に高度を落とす。すぐのところに鎖場があり、初心者は嫌らしいかもしれない。ここから少し降った所にも1箇所あるが、特に問題ない。左手に切れ落ちた斜面を見ながらガレ場を進む。ここから鞍部までは高低差300mなので結構しんどい。鞍部は広い所があり休める。
Ⅰ峰までの登りは危険な所はない。Ⅰ峰からまた50mほど降り、ここからⅡ峰北峰まで鎖場、梯子がある。北峰へは裏手から回り込んでいるので、ピークは踏まない。北峰正面に南峰があり、ここから50~100m近く下る。ガスっていたのではっきりわからないためだるかった。鞍部から1つピークを越えたところでまた大きなピークがあるが、直登せずに巻く。おそらくこのどれかが、Ⅲ峰だと思われる。ピークを巻きながら右手に進路を変え、稜線に出てすぐに左手に進路を変えるとこれが唐松岳の最後の登りとなる。体力を消耗していたので長く感じたが、冷静になればそれ程時間がかかるアップダウンではなかったかもしれない。
唐松岳はガスのため視界なし。すぐに頂上山荘に向かう。テン場が悪かった。
これから行く岩稜
ここから転滑落に注意だ
まずは10m程?の鎖場がお出迎え
高度感があるポイントだ
8月17日(木)唐松岳頂上山荘――八方尾根――白馬村――静岡
ガス 下界は晴れ 行程時間約2時間30分
5:00 起床 6:25テン場出発 小屋まで10分
6:50 頂上山荘出発 濃霧視界40m
7:35~7:50 雪田 2351m付近 ガス
8:20~8:40 八方池 視界一時回復
9:15 八方山荘 1350m 上空晴れ間あり。
ルート解説
山荘から尾根下の道を進む。落石が多そうなので注意したい。稜線上に進みやがて尾根先端にケルンがあるが手前でルートは右に進路が変わる。この辺りから木々の中を進む。途中雪田があり前はゴロー地帯となっている。比較的歩きやすい道を進む。所々雪田が残っていた。
八方池まで来れば人も多く、ここから木道が整備されやがて八方行け山荘に到着する。
朝の五竜岳
ガスかかる八方池
五竜方面を見る・次はあそこかあ~
下山は文明の利器を利用。ラクチン
費用
テント ¥500*2
食費(3人3日分)¥9,000/3
ビール ¥550+500
バッチ¥500*3
タクシー¥700
ロープウェ ¥1400+荷台200
昼飯¥1200
初日夜 ¥1200
現役土産 ¥660/3
馬刺し ¥2600
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